モルタル壁(塗り壁)

モルタル壁(塗り壁)の特徴

モルタル壁はラス下地材やラス網による下地の上にモルタルを塗った後、塗装などで仕上げた壁です。塗装によるスタッコ仕上げやリシン仕上げ、吹付タイル、ローラー仕上げのほか、ジョリパットなどによる左官仕上げが施されることもあります。1990年代以前は日本の住宅の外壁はモルタル壁が主流でした。

モルタル壁(塗り壁)のメンテナンス工事

モルタル壁の塗り替えは塗料の種類にもよりますが、10年~15年ごとに実施します。チョーキングや塗膜の膨れ、幅0.3㎜以下深さ4㎜以下のひび割れであるヘアークラック、幅0.3㎜以上深さ4㎜以上のひび割れがある場合は塗装を行うべきタイミングです。塗膜が膨らんだり、剥がれたりしている場合はケレン用のヘラなどで除去し、下地を調整する作業が必要です。また、クラックは断面をU字にカットし、コーキングを充填した後、防水モルタルを塗布します。通常の塗り替えは、高圧洗浄をした後、下地の調整を行い、下塗り、中塗り、上塗りという流れです。

最近では、モルタル壁の上にサイディングを張るカバー工法によって、サイディング張りにリフォームするケースもあります。

サイディング張り

サイディング張りの特徴

サイディングとは、建物の外壁に張る一定のサイズに成形された仕上げ材をいいます。サイディングには、窯業系サイディングや金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングがあります。昨今の新築住宅の外壁材で多くを占めているのは、窯業系サイディングです。リフォーム工事でも、モルタル壁から窯業系サイディングなどのサイディングへの張り替えが行われることが多いです。

窯業系サイディングは、セメントに繊維質などを混ぜて作ったもの。タイル調や石調、レンガ調、木目調など、柄やカラーのバリエーションが多いのも特徴です。金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミなどの金属に断熱効果のある裏面材や芯材を貼ったボードです。金属系サイディングはシャープでモダンな印象になります。木質系サイディングは天然の木の表面を処理して、塗装をしたもの。自然の木ならではの風合いのよさがあります。樹脂系サイディングは塩化ビニル樹脂製で、日本ではあまり浸透していませんが、アメリカやヨーロッパでは一般的な外装材です。木質系サイディングや樹脂系サイディングは、防火地域や準防火地域では防火認定を受けたものしか使用できないため、注意が必要です。

サイディング張りのメンテナンス工事

サイディング張りのうち、窯業系サイディングと金属系サイディングは継ぎ目にコーキングを使用しているため、5~10年ごとにコーキングの補修を行います。使用する塗料にもよりますが、表面に白い粉がつく、チョーキング現象が起きていると表面の塗膜が劣化して、防水性能が低下しています。そのため、木質系サイディングは5~8年ごと、窯業系サイディングは8年~12年ごと、金属系サイディングは10~15年ごとに塗装が必要です。また、反りや浮きが生じた場合には張り替えを行います。サイディングの張り替えには、既存のサイディングの上から重ね張りする方法と、既存のサイディングを剥がして張り替える方法があります。

ALC

ALCの特徴

ALCとは、軽量気泡コンクリートのこと。通常のコンクリートの4分の1程度と軽量で、気泡が空気層をつくるため、断熱性に優れているのが特徴です。また、ALCは耐用年数が50年と耐久性が高く、耐火性にも優れています。ただし、ALCは外壁材の中でも高価です。

ALCのメンテナンス工事

ALCも継ぎ目にコーキングを使用しているため、5~10年ごとにコーキングの補修が必要です。また、ALCはセメントを主成分としているため、塗膜が劣化すると水を吸収しやすいため、10年ごとに塗装を行います。

タイル壁

タイル壁の特徴

タイル壁の施工方法には湿式工法と乾式工法があります。湿式工法は木造住宅の場合、モルタルを下地にしてタイルを貼ります。乾式工法はタイル下地用のサイディングにタイルを引っかけたり、接着剤で貼ったりする工法です。タイル壁は耐久性が高く、高級感があります。

タイル壁のメンテナンス工事

タイル壁は洗浄を行う程度のメンテナンスで済みます。ただし、施工不良によってタイルの浮きや剥がれが見られた場合は補修が必要です。また目地材が劣化した場合には目地を打ち直す必要があります。地震に見舞われた場合は、下地にひび割れが生じている可能性があるため、注意が必要です。

雨樋工事とは

雨樋工事は、新築時には雨樋設置工事を行います。雨樋は経年劣化によって、ゴミがたまって排水不良となったり、積雪によって開いてしまったりするなどして、割れや部品の欠損などが起こります。そのため、リフォーム工事では雨樋の状態によって、雨樋交換工事や部分交換工事、塗装工事を実施します。

雨樋設置工事・雨樋交換工事

住宅の新築時の雨樋設置工事では、軒先に軒樋や集水マスを設置し、集水マスに集まった水を通す竪樋を外壁に設置し、排水管に接続します。リフォーム工事では、雨樋の破損箇所や劣化箇所が多い場合、あるいは雨樋が全体的に傾いている場合は雨樋の交換工事を行います。

雨樋部分交換工事

雨樋の一部が破損している場合は欠損している場合は、部分的に交換します。また、雨樋が一部傾いている場合は、当該箇所の雨樋と支持金具の交換が必要です。支持金具が一部外れていたり、曲がったりしている場合は支持金具を交換します。

雨樋塗装工事

雨樋は経年劣化によって色あせてきてしまうため、主に美観を目的に塗装工事を施すことがあります。また、雨樋を塗装することで劣化を遅らせる効果もあります。雨樋だけを塗装すると工事費用が割高になるため、屋根や外壁の塗装と合わせて行うことが一般的です。