屋根工事の種類

屋根葺き工事・屋根葺き替え工事

新築工事の屋根葺き工事は、下地材の野地板に防水シートを張り、日本瓦やスレート、金属系のガルバリウム鋼板などの屋根材を屋根に敷き込んで固定する工事をいいます。

リフォーム工事の屋根葺き替え工事は屋根材や下地材を撤去して、新たな屋根材に葺き替える工事です。棟板金を外して屋根材を剥がした後、防水シートや野地板も剥がします。そして、新しい野地板を取り付けて、防水シートを敷いた後、屋根材を取り付けて棟板金を設置します。屋根葺き替え工事を行うのは築20年以上の住宅が中心です。

・屋根重ね葺き工事

屋根重ね葺き工事はカバー工法ともいわれるもので、既存の屋根材を剥がさずに上から新しい屋根材を取り付けます。屋根重ね葺き工事は、下地の野地板や防水シートが傷んでいない場合のみ、施工が可能です。また、瓦屋根の場合、屋根重ね葺き工事を行うことは難しいです。屋根重ね葺き工事には廃材が出ず、ホコリが出にくいことや、顧客にとっては工事費用を抑えられるいうメリットがあります。ただし、屋根の重量が重くなり、耐震性の面では不利になります。そこで、重ね葺きでは軽量の金属屋根を用いることが多いです。

屋根重ね葺き工事は屋根を洗浄した後、棟板金などの付属物のみを外して、防水シートを貼り、新しい屋根材や棟板金を取り付ける方法が一般的です。新たに既存の屋根材の上に野地板を設置した後、防水シートと屋根材などを取り付ける方法がとられることもあります。

・屋根塗装工事

屋根材や下地材自体はさほど傷んでなく、屋根材の塗膜が劣化している場合は、塗装工事を行うという選択肢もあります。塗り替えが必要になる屋根材は、セメント瓦やスレート、金属系の屋根であり、日本瓦は塗装工事は不要です。屋根塗装に使用する塗料は価格と耐用年数が比例する傾向があり、安い方からアクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料となります。最近では費用と耐用年数のバランスがよいシリコン塗料を用いることが一般的です。

屋根塗装工事は、高圧洗浄を行った後下地処理し、養生を行い、下塗り、中塗り、上塗りを行うのが基本的な流れです。スレート屋根の場合は、屋根材の重ね目の隙間から雨水が抜けていく構造になっているため、重ね目の隙間が塗膜で覆われてしまうと、屋根の内部に雨水が侵入して雨漏りが起こる原因になってしまいます。そのため、スレート屋根の塗装工事では、下塗り後にタスペーサーを差し込んでおくか、重ね目の塗膜をカッターで切る縁切りと呼ばれる作業が必要です。

・漆喰補修工事

昔ながらの日本瓦を用いた屋根は、棟といわれる頂上の水平な部分ののし瓦や棟瓦が、土台の葺き土の上に漆喰を塗って固定されています。経年劣化によって漆喰が剥がれたり、のし瓦や丸瓦がずれてしまったりした場合には、漆喰の補修工事が必要です。

漆喰の補修工事には、漆喰詰め直し工事と棟瓦取り直し工事の2種類があり、棟や漆喰の状態によって適切な工事を実施します。漆喰詰め直し工事は、漆喰の剥がれが軽度の場合に選択する工事です。古くなった漆喰を取り除いて、新しい漆喰を詰めていきます。棟瓦取り直し工事は漆喰の剥がれが大きく、瓦が崩れてしまっている場合に行う工事。葺き土を撤去した後、新しいのし瓦と土を設置し、漆喰と銅線で瓦に固定し、棟瓦を載せて固定します。そして、鬼瓦を漆喰で固定します。最近は葺き土を使わず、漆喰のみを用いることも多いです。

・棟板金交換工事

スレートや金属系の屋根の棟部分は金属製で棟板金と呼ばれています。棟板金交換工事は、経年劣化によって棟板金を固定しているねじが浮いたり、棟板金自体が浮いてたり、外れたりしまったりしているときに交換を行うものです。棟板金を撤去した後、下地材の貫板も傷んでいる場合は交換します。最近は水が浸透しにくい樹脂製の貫板と腐食やサビに強いガルバリウム鋼板の棟板金を使用するケースが多いです。